一言で「コーティング」と言っても世の中には素人の方でも簡単に出来るものから、プロのような技術や知識がないと難しいものまで様々なものが存在するので、今回の記事においては「ガラス系」や「セラミック」のような、基本的には経験を積んだプロが行うコーティングの下処理の必要性について書きたいと思います。
私なりの表現で、なるべく女性にも解りやすく説明してみようと思います。
コーティング前の下処理の必要性
まず、コーティングを人間で言うお化粧として考えていきましょう。
女性の方がお化粧をする際には前日のお化粧をお風呂でキレイに落とした後、翌日新たにお化粧を始めるものだと思います。簡単に言ってしまうと・・・
1・クレンジングをして化粧を落とす → 2・洗顔をして油分や汚れを落とす → 3・パックや角質ケアなどをして、よりキレイの努力をする。これが人間です。
化粧にどこまで手間を掛けるかは個人差があるとは思いますが手間をかけた分、化粧の乗りや仕上がりって変わりませんか?
1・洗車をして汚れを落とす → 2・古いコーティングやワックスなど洗車では取れない様々なものを落とす → 3・研磨などでダメージを取り除きよりキレイに見せる為の手間をかける。これが車です。
誰でも出来るスプレータイプのコーティング剤を利用している方の多くは、洗車をした後の古くなったコーティングを取り除かずに塗ってしまう人が多く、「表面はピカピカなのに、中がくすんだ色に見える」という状態の車を多く目にします。上記の洗車以降の2からを下処理と考えた場合、その下処理をきちんと行わなかったことで、仕上がりの質が落ちてしまっているのです。
これまでを踏まえて下処理の大切さを考えてみてください。人がしっかりと化粧を落とさずに化粧をしたならば・・・化粧の乗りは悪く仕上がりがイマイチになるでしょう。車も同じなのです。
特に多い下処理時の作業内容
ここでは洗車だけではなかなか落ちづらい様々な汚れをご紹介していきます。
虫の死骸 ・・・ 付着してから長期にわたって付着している場合はこびりついてしまい、なかなか落とすことができません。最悪の場合は塗装表面を溶かし、シミになる場合もあります。虫取りクリーナーを使ってキズを入れることなく落としましょう。
ピッチ・タール ・・・ 白い車に乗っている人が1度は悩む黒いザラザラのポチポチです。アスファルトの中に含まれる油分がタイヤに巻き上げられボディーに付着します。固着する前の状態であれば洗車だけでもおおよそ落とすことができますが、固まってしまうとピッチクリーナーやトラップ粘土などの専用溶剤を使わなければ落とす事ができません。黒などの濃色車の場合、見た目はあまり目立ちませんがボディーを触るとザラザラします。
鉄粉 ・・・ ブレーキダストや線路、工場などから飛んだ鉄の粉がボディーに突き刺さり、雨などによって錆びが発生すると固着し茶色いシミになってしまいます。シミになっていない状態であれば見た目はピッチ・タール程は気にならないものですが、ボディーを触るとザラザラします。研磨などを行う際には必ず除去しないと鉄粉がボディーにキズを入れてしまう場合があります。
専用のトラップ粘土をボディー表面に滑らせて除去します。
より仕上がりを追求する方には・・・
日頃のお手入れによる洗車キズや、水道水が乾いてしまった水シミなどの失敗をリセットするという意味での研磨や、塗装面の最大限のツヤを引き出すという意味での下処理として磨きを入れてあげるという方法もあります。ここでは「ツヤ出し研磨」と「ダメージ研磨」と表現しましょう。
ツヤ出し研磨・・・塗装は時間の経過とともに様々な外的要因によって劣化していきます。
紫外線による塗装面の退色など、塗装表面の劣化した部分を磨くことにより劣化していない新鮮な塗装を表面に出してあげ、よりツヤのあるパリッとした仕上げにします。新車のお車もこれをしてあげることで新車時の塗装表面の丸みを取り、より美しく仕上がります。
ダメージ研磨・・・洗車時に付いてしまった洗車キズや、水シミなどの頑固な部分を集中的に磨き込むことでキズとして目に見えているエッジ部分の凹凸を取り除き塗装面全体が滑らかになるように磨き込みます。
塗装がスッピンの状態でとても美しく仕上げることが出来たなら、その状態を様々なダメージから保護する役割をコーティングがおこなってくれるのです。上記の下処理では「お化粧」という例えを使いましたが、コーティング自体は化粧ではなくネイルの「トップコート」というイメージをして下さい。
「美しい物を、より美しく・・・」これがコーティングの役割ともなります。
まとめ
人によって「キレイ」にはそれぞれ個人差があります。お手入れの頻度によっても下処理として必要となる作業も異なりますが、まずはどのぐらいのキレイを求めるのか・気になる部分を解決する為には何の作業が必要なのかを施工前にしっかりと相談することが大切です。
親身になって話を聞いてくれて、しっかりと悩みを解決してくれるお店を施工の際には選ぶようにしましょう。
参考記事
本柳剛史
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